旧暦2033年問題
沖縄の生活に密着している旧暦の2033年問題。沖縄じゃなくても「大安」「仏滅」などの六曜は何かと気にされていると思う。
1844年に天保暦ができてそれを元に現代まで「旧暦」として使われているんだけど、それが2033年に色々重なって閏月をどこに入れるのか決めきれていないとのこと。イレギュラーは仕方ないのでどこかで無理やり帳尻を合わせれば良いとも思うけど、1973年に旧暦は廃止ということになっているので、それを決定する公的機関がない。
旧暦が決まらないので、六曜も決めることができない。いくつか案が出ているけど、葬式や結婚式にも影響しそう。旧暦・六曜を使う業界の人達がそれぞれで決めちゃうとそれはそれで面倒な事になりそう。
沖縄での釣りでは旧暦が大事
毎年のように「今年の梅雨入りは例年よりOO日遅れ」など報道されるけど、旧暦で見てみると大した誤差はない。
太陽暦から作られたはずの二十四節気を旧暦の日付にしてみるとなぜか誤差がないという軌跡の一致。多分地理的な問題でたまたまなんだろうけど、本当に風がどうなるのかを予想するのに役立つ。
是非旧暦は残して欲しいけど、決定する公的期間がないのでいろいろなバージョンが出てきて最終的に廃れてなくなっていくのかな。
結婚式場とかの団体が決めるんじゃ・・って話もあるけど、土日祝祭日に大安が多くなるような案を採用しそうでなんか嫌。
[沖縄タイムス]2033年旧暦の危機 現在使用の「天保暦」破綻
沖縄タイムスの2015年2月18日の記事
あす19日は旧正月。しかし、2033年の冬至から翌年の春分にかけて、旧暦が作れなくなる事態が来る。季節とのずれを正すための、「閏月(うるうづき)(ユンヂチ)」をいつ設けるかの計算ができなくなるからだ。18年後の話だが伝統行事や漁業、農業などで旧暦に根差した生活を送る人々が多い沖縄では、影響は大きい。(新里健)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/11071
旧暦は1年354日で、新暦の365日に11日足りない。そこで、不足日数が1カ月分たまって1年が13カ月になる年に、同じ月を繰り返すのが閏月。約3年に1度巡ってくる計算だ。12年は旧暦の3月が2回あり、新暦の4月21日~5月20日が閏月に当たった。
暦や年中行事に詳しい沖縄国際大学非常勤講師の稲福政斉さん=糸満市=によると、伝統的な閏月の定め方に従うと、今まで「候補月」は一つだけしかなく、すんなり決まってきたが、33年以降は同年11月と翌34年1月の二つ生じる。どちらを選ぶかのルールがないため閏月が決められず、旧暦が作れなくなるという。
暦を所管する国立天文台は決めてくれない。1872年以降、国が公式に定めるのは新暦だけだからだ。担当者は「旧暦は民間で任意に作られ広まっている。『2033年問題』は承知しているが、民間で解決すべきで国は関与しない」と話す。
今の旧暦は1844~72年に日本で公式に使われた「天保暦」。非公式となった後も約170年間、重宝されてきた。稲福さんは「天保暦以前の江戸幕府は不具合を正すため、40~50年ごとに『改暦』してきた。100年以上も使い続ければ、破綻が生じるのは自然」と語る。
では誰が解決に動くのか。意外にも稲福さんは「婚礼業界だ」と予想する。旧暦が作れないと、旧暦に基づく仏滅、友引など「六曜」も定まらない。「大安がいつか分からなければ、多くのカップルが挙式日を決められなくなるから」だという。
春節を迎える中国では、政府が今も公式に中国式の旧暦を作り「2033年問題」も解決するとみられる。
参考書籍
[書籍]島の風は、季節の名前。 旧暦と暮らす沖縄
「島の風は、季節の名前。 旧暦と暮らす沖縄」っていう本は二十四節気の解説とどういう気候になるのかなど色々紹介されていて参考になる。
トレイに常備して、何度も読み返してるけど本当に参考になるおすすめの本。
天地明察
四代将軍家綱がやった暦作成プロジェクトの話。この時代は大した望遠鏡も観測技術もなかった時代。そんな時代に太陽・月・地球がどういう動きをしてどう関係しているかを導き出し作られた暦が天保暦。その暦が現代でも旧暦として参考にされているってすごいなぁ・・って思う。
コメント